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Peel Chair |
Design Concept
OLD and NEW 「PEEL CHAIR」
この椅子は単に座面に皮を張ってあるだけの椅子ですが、ここにはOLD と NEWの関係があります。 それは、皮を張っている所と張っていない所には時間の流れの差があるからです。
この椅子の皮は剥がす事ができます。つまりその皮を剥がした時のコントラストを楽しもうというものなのです。
「味を出す。」という言葉があります。”味”とはどういう事を言うのでしょうか? ジーンズにたとえて言うのならひざやお尻の外部とよく触れあう部分が強調されて色落ちしているものをいうと思います。均一にまんべんなく色落ちしているのは味がでているとは言わないでしょう。
要するに”味”とは実際に使いこまれてきた証拠のようなもので、簡単に出そうと思ってもすぐには出ないものだと言えると思います。 何年かこの椅子を使い込んでいってその皮を剥がした時には、その表情(コントラスト)は使った人それぞれによって違うでしょう。それが”味”なのです。
最初は皆同じ表情だったものが使う人によってその表情が徐々に変わっていくのはおもしろいことだと思います。皮を剥がしてしまったからそれで終わりというわけではありません。皮を剥がしたその上から椅子はまた新たな表情を刻んでいくのです。
ジーンズをはき古す様に使いこんでいく・・・ 時間の流れが楽しくなる椅子です。
これは、東京デザイナーズウィーク'99 というデザインコンペティションに応募した作品です。テーマは old and new です。皮を貼っていないところは外部からの影響を受けにくいので、使い込んでいるうちに徐々に皮を貼っているところと貼っていない所に変化があらわれるというのが私のねらいです。使い込んでいるうちにだんだん味が出てきて、皮を剥がした時にはそこに時間の差が出るのです。そして剥がした後でも、その差を保ったまま深みを帯びていく。そういった時間の流れのおもしろさを感じられるデザインです。
今のデザインの世界は普通、平面的な構成や立体の美しさなど目に見える範囲で行われているのがほとんどだと思います。それはつまり2次元、3次元の世界でしかありません。デザインの中に4次元、つまり、時間軸を取り入れていったらまた新しいアイデアが生まれていくのかもしれません。また、この椅子は消費社会へのアンチテーゼでもあるのです。
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